墨の神秘性に魅せられる二人展
筆墨親子 宮本信代×上田普 が
10月19日(土)〜27日(日)11:00〜18:00 (最終日16 :00まで)に開催中です。
初日の雨の中から連日絶えないお客様で遠方からも有難うございます。
墨、紙、水、温度、絵の具の種類の違いで作品の出来栄えが違ってくる不思議さ。
日本、中国、フランスのメーカーの知識などもお客様と談義するエネルギーにも満ちています。
宮本作品は
書の感性で筆の赴く勢いの動くまま一瞬で描いたり
光と影を計算して墨の一筆で塗り分けたり、、、様々の手法が一人の作家とは思えないように感じられます。
上田作品は
貴重な大切な墨だからこそ、1回に4時間かけて自ら擦り「墨将磨子」の想いで墨の粒子の違いによって滲みを描いたり
バウンドさせた墨の点の集積の製本やお軸・短冊などに展開させた新しい作風など、コンセプチュアルを重視した作品を得意としています。
墨の未知なる自然な動きに任せつつ、作家自身もそれを楽しみ制作した作品群に引き込まれる来場者。
卓越した技術力に感心しつつ、何ともいえない作品から発せられる黒の濃淡の情緒に魅せられています。
13年ぶりの今展は初めて二人の作品を一つの空間に混ぜて展示しています。
動と静の全く違う作風の中にどこか共通点が感じられるのはやはり親子所以でしょうか?
「凄い事が実現しましたね!!」と言われる二人の展示を見比べられる機会はなかなかありません。
墨の神秘性も是非味わってご覧になってみてください。